Campus Life

東京都市大学キャンパスライフ

原子力研究所

1960(昭和35)年に原子力の平和利用と技術開発を目的として開設されました。所内には小型の研究用原子炉を擁し、中性子によるがん治療や極微量元素の分析などの研究活動を推進してきました。2003(平成15)年に、原子炉施設の廃止を決定しました。現在は、原子炉施設の安全管理を行うとともに、既存の施設・設備を活用した放射能測定などの教育・研究活動を行っています。これまでの経験と実績に基づいて、社会が求める原子力技術者育成のために利用されています。

原子力研究所 ホームページ https://atomsun2.atom.tcu.ac.jp/

主な教育・研究活動

地球環境問題の解明と福島支援活動

国内外研究機関と共同で、社会的関心の高い地球環境問題および福島における原子力発電所の事故に係る環境の調査・解明を、極微量放射化分析技術を駆使して取り組んでいます。

タンデム加速器を用いたビーム応用研究

1.7MVペレトロン・タンデム加速器により発生させる最大3.4MeVの陽子線ビームを様々な材料に照射することで微量元素分析を行います。環境、医療、考古学など様々な分野に応用が可能です。

放射線を用いた解析法によるバックエンドプロセスの高度化

酸素や水分を断った環境にて高温状態での実験を可能にするグローブボックスを導入し、放射性廃棄物の減量、減容化を目指して、溶融させた塩やガラスを用いた実験を行っています。

原子力歴史構築賞受賞と分析機器・科学機器遺産認定

当研究所の武蔵工大炉が日本原子力学会より原子力歴史構築賞を受賞し、むつ鉄を使用した遮蔽体による放射化分析用γ線測定装置が分析機器・科学機器遺産の認定を受けました。

伝える取り組み

既存の施設・設備を生かして、原子力・放射線について学内外の方々へ伝える活動を行っています。原子力・放射線について分かりやすく伝えるため、学校訪問、学校や市民の方を対象とした見学会なども実施しています。

管理区域での実験・実習

原子力や放射線の利用は、施設周辺の公衆と環境、放射線作業従事者、施設・設備の安全確保を図ったうえで初めて活用でき、教育・研究を行うことが出来ます。放射線管理の専門家が適切な設備・機器を整え、維持管理し、人と環境に目配りして教育・研究を支えています。

主要な施設・設備(管理区域内)

《実験室》

放射性同位元素を扱える区域内に6室

《特 徴》

非密封放射性同位元素の仕様が可能

《機 器》

  • Ge半導体検出器(MCA付)※1 :4台
    (内、サンプルチェンジャー※2 付2台)
  • α線、β線、γ線、中性子線の各種測定装置
  • β線源、γ線源、中性子線の各種線源
  • 1.7MV静電加速器

※1 多核種放射能の同時分析が可能なガンマ線波高分析装置付きゲルマニウム半導体検出器

※2 試料を自動交換する装置で、多数の試料をそれぞれに設定した条件で連続して測定することが可能